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コラム

シングルマザーの老後資金はいくら必要?データで読み解く資産形成のポイント

はじめに

子育てと仕事を一手に担うシングルマザーにとって、日々の生活や教育費のやりくりが最優先になり、老後資金のことはどうしても後回しになりがちです。
 しかし、子どもが巣立った後の人生をどう過ごすかを考えることは、将来の安心や生活の安定に直結する重要なテーマです。

「今はまだ教育費で手一杯だから老後のことまでは考えられない」
 「年金があるから、なんとかなるはず」

そう思っている方も多いかもしれません。けれども、統計を見ると、年金収入だけでは老後の生活費を十分にまかなえないケースが少なくないことが分かります。

この記事では、最新のデータをもとに老後に必要な生活費の実態と、シングルマザーが今からできる資産形成のポイントを詳しく解説します。将来の不安を数字で「見える化」し、安心につなげる第一歩にしてください。

老後生活費の実態 ― 統計データで確認

まずは、実際に高齢期にどのくらいのお金が必要なのかを確認してみましょう。

総務省「家計調査(2022年)」によると、65歳以上の単身無職世帯の平均消費支出は 月143,139円 です【総務省 家計調査】。
 食費や住居費、光熱費など、最低限の生活を送るために必要な金額がこの水準です。

【引用】総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2022年(令和4年) 家計の概要」

一方で、老後の主な収入源である年金は、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると以下の通りです。

【引用】厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

この数値を比較すると、厚生年金に加入していた方は生活費をある程度まかなえますが、国民年金のみの受給者は毎月8〜9万円程度の不足が発生する可能性があります。

つまり「老後破産」とまではいかなくても、医療費や介護費用がかかることを考えると、十分な余裕資金を確保しておく必要があるのです。

札幌と全国の生活費相場の違い

ここで気になるのが「地域による生活費の差」です。

全国平均では単身世帯の生活費は 月15.5万円程度 とされていますが、北海道・東北エリアの単身世帯(勤労者世帯)の生活費は 月約128,000円(住居費・光熱費を除く) というデータもあります。

つまり、札幌は東京などの大都市圏に比べると、家賃や日常の生活費が抑えられる傾向があります。ただし一方で、札幌特有のコストとして 冬季の暖房費や光熱費 が高くなる点には注意が必要です。

実際の生活感覚としては、全国平均よりはやや低めながら、暖房費などを加味すると 「14万〜15万円程度」 が現実的な目安になると考えられます。

子どもが巣立った後から始める資産形成のステップ

では、老後資金をどのように準備すればよいのでしょうか。子育てが落ち着いた後に取り組める現実的な方法を紹介します。

1. 家計の見直しで余剰資金をつくる

教育費が不要になった分を、そのまま生活水準の向上に使ってしまうのは危険です。
 余剰資金を老後資金へ回す仕組みをつくることが第一歩となります。

これだけで年間数十万円の余剰資金が生まれることもあります。

2. 制度を活用した積立投資

資産形成は「時間を味方につける」ことが大切です。

税制優遇を活用すれば、効率的に資産を増やすことができます。

3. 保険の整理と医療・介護への備え

子どもが独立したら、死亡保障よりも「医療・介護保障」へ重点をシフトしましょう。

「何に備えるのか」を見直すことで、無駄な保険料を削減しつつ必要なリスクに対応できます。

4. 住まい戦略を立てる

住まいは老後資金の中でも大きなテーマです。

どちらにせよ、「管理がしやすい家」に住むことが老後の安心につながります。

公的制度と支援を上手に活用する

札幌市や北海道では、シングルマザーやひとり親家庭を支援する制度が用意されています。

これらを活用することで、教育費や生活費の負担を軽減し、その分を老後資金に回すことが可能です。

FPに相談するメリット

ファイナンシャルプランナーに相談すると、以下のようなメリットがあります。

シングルマザーの方は特に、「自分一人で判断するのは不安」というケースが多いです。FPを活用することで、迷いを減らし、効率的な資産形成を進められます。

まとめ

将来の不安を「行動」に変える第一歩として、フィナンシアのFPサービスをぜひご検討ください。専門知識を持つ独立系FPが、あなたとご家族に最適なプランを一緒に設計します。

今のうちから、お子様が自立された後の将来を一緒に考えていきましょう。

株式会社フィナンシアジャパンでは、“現状のキャッシュフローイメージ”がつかめるファイナンシャルプランニングを実施しています。まずはお気軽にご相談ください。

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【執筆者プロフィール】

株式会社フィナンシアジャパン 代表:鎌田 恵美
宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター/管理業務主任者ほか
札幌市で不動産管理・賃貸経営支援を行う不動産コンサルタント。複数の国家資格を活かし、空室対策や相続物件の活用、賃貸経営の効率化など、オーナーの立場に立った実務支援を行っている。

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